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澤村 卓史*
JNC TJ1400 99-002, 73 Pages, 1999/03
核燃料施設からの直接線およびスカイシャイン線による線量評価は、施設の環境評価項目の1つに位置づけられており、遮蔽計算コードにより解析が行われている。しかし、ベンチマークデータが極めて少ないこと等もあり、評価においては十分な安全裕度が見込まれている。このため、合理的な評価を行うためには、スカイシャイン線に係わる実測データの取得が不可欠である。本研究は、施設からのスカイシャイン線のベンチマークデータの取得および各種計算コードの検証を目的として実施するものである。今年度は、中性子を対象とした同期方式によるパルス状放射線測定装置を改良し、北大45MeV電子線型加速器施設内および周辺の中性子到来時間分布測定を実施することにより、作製した装置がスカイシャイン線による線量測定に有効であることを実験的に明らかにすると共に汎用ユ一ザ一ズ版EGS4およびMCNPコードによる北大45MeV施設のスカイシャイン線評価への適用を検討するため以下の研究を行った。・同期法によるパルス状放射線測定装置を改良し、ゲート動作の有効性とバックグランド低減率の測定等の基礎実験を行った。装置の改良の結果、施設建て屋外においても信号中性子、バックグランド中性子および中性子到来時間分布を同時に測定することが可能になった。・北大45MeV電子線型加速器施設の建て屋内および周辺の中性子到来時間分布測定を実施した。その結果、中性子スカイシャイン線の測定に対しても同期測定法が適用できること示した。中性子に対しても排気筒が中心的な漏洩源であることが分かった。・シミュレーションによる北大45MeV電子線型加速器施設からの中性子スカイシャイン線評価のための基礎的計算を開始した。その結果を示す。
木村 貴海
Journal of Nuclear Science and Technology, 27(12), p.1147 - 1150, 1990/12
バックグラウンド中性子とは何か?この問題は常温核融合研究における極微弱レベル中性子計測と関連して重要である。そこでバックグラウンド中性子の定量的評価を目的として、物質中における宇宙線誘起による中性子発生率を測定した。中性子検出体系内に種々の物質が存在したときに測定された中性子計数率は物質内での中性子多重発生を示唆した。物質1モル当たりの全中性子及び同時中性子計数率は平均原子量Aに対してそれぞれA, Aの相関をもつことを明らかにした。さらに重水に対して測定された中性子計数率は上の関係から予想される値に比べ例外的に高く、その発生率は1.910n/s・kgであった。この結果は重水における中性子発生に、重水素の分解または核融合(?)が寄与することを示している。